魚豊(うおと)さんの漫画『チ。―地球の運動について―』は、地動説をテーマにした壮大な物語で、アニメ化もされ多くの注目を集めています。
今回は、この物語の舞台「ヨーロッパ某国」がどこなのかを探っていきます。
「チ。―地球の運動について―」の舞台、P王国とは
『チ。―地球の運動について―』のアニメ公式ページでは、物語の舞台は「15世紀のヨーロッパ某国」とされています。
また、作中で「P王国」や「C教」という名前がでています。
この「P王国」という名前から、ポルトガルやポーランドを想像するのではないでしょうか。
ヨーロッパ某国=P王国≒ポーランド王国
序盤では具体的に国名が明かされないものの、物語が進むにつれて「P王国」の正体が見えてきます。
最終章では、明確に「ポーランド王国」と記されています。ですので、作中の「P王国」は、実質的にポーランド王国を指していると考えられます。
なぜ「P王国」として表現されたのか?
ここで疑問に思うのは、序盤~中盤ではなぜはっきりと「ポーランド王国」としなかったのかということです。
その理由のひとつとして、物語のフィクション性にあると考えられます。
『チ。』の物語では、地動説を信じる人々が激しい迫害を受けるシーンが描かれていますが、史実では15世紀のポーランドでこうした迫害はあまり見られませんでした。
実際、ポーランド出身の天文学者コペルニクスが地動説を提唱した際、彼の著作は1543年に問題なく出版され、自由に読まれていたと言われています。
このように、ポーランドでは地動説に対する厳しい取り締まりが行われていなかったため、史実とは異なる要素が物語には含まれているのです。
フィクションとしての『チ。―地球の運動について―』と現実との違い
作者である魚豊さんは、「実は史実では地動説を唱えただけではそこまで迫害されなかった」ことは理解しているとSNS「X(Twitter)」の関連サービス「fusetter(ふせったー) 」で語っています。
そのため、史実とは異なる要素が多く含まれているため、あえて「P王国」として国名をぼかして表現しているのではないかと考えられます。
あくまで「15世紀のポーランド」に似て非なる舞台で、弾圧にあらがいながら自分が信じる考えを突き詰める人々。
彼らの人間ドラマを味わって読むのがいいと思います。
まとめ
『チ。―地球の運動について―』の舞台となっている「ヨーロッパ某国」、そして「P王国」は、物語の展開からポーランド王国と見なされます。
ただ、史実と異なるフィクション要素を盛り込むため、あえて具体的な国名を使わず「P王国」として表現されたと考えられます。
歴史の現実とフィクションが交錯する人間ドラマ『チ。』。アニメ版もお楽しみに!

